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Column 13 | 2021.07.11
自分にとってナチュラルなものを追求して、それをシンプルに繰り返すだけ。



2021年6月5日快晴。3年ぶりに信州は長野県戸隠に行ってきた。

お目当ては「モントレイル戸隠マウンテントレイル」である。

http://www.nature-scene.net/tmt/

参加は2回目で今回も20kmのコースを走ってきた。

このコースは、

スタート地点から2km進んだところから、瑪瑙山(めのうさん)の頂上を目指すトレイルが始まり、1300mの地点から1700mまで駆け上がるいわゆる坂登りがある。



坂登りが5km地点まで続き、その後は下り、小さなアップダウンを繰り返しながら14km地点を目指す。

14km地点が関門になっており、この関門を3時間15分以内に通過しなければ足切りされてしまい完走にならず記録にもならない。

しかし、この関門さえ時間内に通過すれば、あとの残り6kmは歩いてゴールでもいい。

初参加した3年前の前回は、参加者482人中453位という結果で、完走者の中では最も遅く何を隠そう私が戸隠トレイルランの最終ランナーだった。

これに対して3年ぶりの今大会では、

順位は582中395位、タイムが3時間54分59秒と飛躍的な進歩が見られた。

前回から比べて40分以上も早く完走することができた。

後から振り返るに、

この要因としては、体重が10kg以上落ち、お酒も飲まなくなり、前大会よりも体が健康な状態になっていたことがかなり大きいだろう。

途中まで伴走してくれた友人の存在も随分影響している。



それから思うに、メンタル面での変化も相当影響している。

この大会に出るにあたって、事前準備を出来るだけしっかり行った。

ロードでのトレーニング。

コースマップを使ったイメージトレーニング。

トレイルランニング関連の文献に幾つか当たるなどもした。

走っている最中、私の心の拠り所となったのは「極限力」という本の中で、外資系の大企業に勤務し、再生可能エネルギー事業の開発などに携わりながら、トレイルランナーとしても輝かしい成績を収めてきた渡邊千春さんが紡いだ言葉だった。

ー以下、引用ー

人間が生き残ってきた理由は、直立二足歩行というのが大きくて、それによって脳が大きくなり、手が自由になって、獲物を取りやすくなった。

もともと暑いところで長時間動いて獲物を獲るというのが生き残るための大きな要素だった。だから人間は本来長距離移動に向いているのだと思います。

トレイルランニングはこの行動にとても近い。

振り子運動をひっくり返したのが人間の腰の運動。地球の環境、重力があるところでは、直立二足歩行が非常にナチュラルな動きなんです。

頑張って前傾すると、物理的に地面とケンカする。

本来のナチュラルな姿勢であれば、自然に次の一歩が出る。重力があるところでは、人間の身体ってそういうふうに動けるようにできているはずなんです。

結局、ゴールまで行きたいのなら、仕事でも走るのでも、シンプルなことが一番大事です。

ただ、人によってナチュラルなものは違う。

例えばヤマケン(山本健一)はストックをうまく使う。ヤマケンにとってはこれが必然、シンプルな行動の一環。ヤマケンと僕の必然は違う。

たぶんヤマケンの祖先は普通の人がダメになったあとも、木の棒をついて獲物を獲物を獲っていた(笑)。全員が同じだったなら、逆に人間はここまで繁栄しない。

だから自分にとっての必然、ナチュラルなものを追求して、それをシンプルに繰り返し続けるだけなんです。

ー引用終了ー

「胸を張って直立二足歩行をすること」

「この姿勢が崩れなければ、肉体的な限界は絶対にこない」

トレイルランニング中、私の頭の中には常にこの考え方があった。

おそらく「直立二足歩行」の話が、自分にとってはナチュラルに腹落ちしたのだろう。

思うに、今回の結果には、こうしたメンタル面の変化も相当影響している。

渡邊さんの言う、

「自分にとってナチュラルなものを追求して、それをシンプルに繰り返し続けるだけ」

という考え方は仕事にも通じる慧眼であり、何かを実行する際の理想形と言える。

今回の戸隠マウンテントレイルから得ることのできた収穫は思いの外多く、時間が経った今でも「参加できてよかった」としみじみと思う。

山の中を走っている最中は正直かなりしんどい。

エネルギーを全部使うので死にそうにもなる。

でもこれだけ多くのものが得られると思えば、病みつきになる人がいるのも少しだけ分かる。

また機会を見つけてトレイルランニングに挑戦していきたい。

(写真・文 Tanaka Shingo)







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