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Column 11 | 2021.05.20
先日、懸造りの山小屋建築を行った。



場所は埼玉県飯能市にある山の中である。

一日目は土台から棟上げ手前まで、二日目は棟上げ、屋根板と外壁貼りを行った。

見晴らしの良い高台で、釘を叩く一定の音とリズム、そしてチームワークによる一体感。

参加者全員がグルーヴ(高揚感)に包まれ夢中になって作業していたように思う。

懸造り(崖造り、がけづくり)とは、京都の清水寺や鳥取の三徳山三佛寺投入堂などに使われている古からある日本の建築方法である。

山間の仏堂や神宮に使われていることから堂宮建築とも呼ばれるそうだ。

地形をほぼいじることなく地形を保存しながら利用するため、山とは良好で持続可能な関係をつくる。

片持ち梁のせり出したデッキ・縁側の存在感と、山の中に凛として立つその佇まいは観る人の心を踊らせてくれる。

建築に際してセレモニーもそここに行った。

清めのお神酒を建物の四隅の柱にまき全員で乾杯。

二日目の昼には上棟祝いに餅つきも行った。

参加者の一人が持ってきてくれたもち米をケヤキの杵と臼を使ってモチにして食べた。

今は身近に感じなくなってしまったこういう文化も再現してみると、やっぱり心に響くものがある。

そして、新しい解釈が生まれたりするのがとても面白い。

「懸ける」とは、成功すればあるものを得るし失敗すればあるものを失うことを承知して事に当たることだ。

「懸造り」にはこのようなメンタリティーが宿っているのかもしれない。

つまり、失敗するか成功するかを考えるよりも「変化を起こしているか」どうかを考えることが大事なのだ。

失敗と成功というのは紙一重で、同じことが違う環境では成功になり、失敗になる。

結果を考えることには意味がなく、一番マズいのは結果を恐れて何もしないこと。

行動して「変化」を起こすべき。

懸造りの山小屋建築を通してこんなことを考えたりした。

完成した室内からは山の景色が一望でき、大きな開口部が額縁となって一枚の大きな絵が飾られている様だった。




写真・文:tanaka shingo







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