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Column 01 | 2020.07.10
「ほどよい違和感」が、人を動かす「好奇心」をつくる。



先日、埼玉県は比企郡川島町にある「笛木醤油」を訪れた。

笛木醤油は「金笛」という名の醤油を創業から200余年つくっており、 もともとは田畑を手がけながら兼業で醤油づくりを始めたという経緯がある。

それ以来、木の桶で2年間発酵・熟成させて醤油を生み出すという伝統的な醸造方法を守り続けてきている。この方法を知った元サッカー日本代表の「中田英寿氏」も昨年笛木醤油に訪れたそうだ。

そして、笛木一家が代々「木桶文化」を受け継いできたのも大きな特徴となっている。

笛木醤油は、昨年敷地内に醤油蔵、お土産ショップ、レストラン、小さな公園などが集まった醤油のテーマーパークをOPENした。

昼食時だったのでせっかくならばとレストランに入ると、ふわっと醤油のいい香りが店内に充満していた。そして、店内をぐるりと見渡した時「あること」に気づいた。

店内が「木桶」のようになっているのだ。

木の温もりを感じるだけでなく、木桶特有の曲部なども正確に表現されており、まるで木桶の中に身を置いているような不思議な感じがした。

うどん定食を注文したのだが、うどんが「小さくて可愛らしい木桶」に入れられて運ばれてくるなど、笛木醤油の木桶へのこだわりをそここに感じることができた。

店内をもう少し観察してみると壁に表出された「ロゴマーク」が目に入ってきた。

「丸」と「葉っぱ?」と「ダイヤ」が「+」で繋がった不思議な形をしたデザイン。

それはどこか方程式のようにも見えたが、等号は存在していない。

ロゴの下に「SMILE by SYOYU」というコピーがあるため「醤油」に関係した何かを表しているのだろうとは思ったが、結局考えてもその場では答えが分からなかった。

笛木醤油から車で帰る途中も、気になって仕方なかったので、家についてからインターネットを使って調べたりしてみたが、結局その答えは分からず。

答えを知るためにはお店の人に聞いてみるしか今のところ術はない。しかし、それでも次に行くときにまでもう少し考えてみよう、という気にはなっている。

分かりそうで分からない。「ほどよい違和感」から生まれた「好奇心」。

違和感は大きすぎると離れられてしまうし、違和感が小さすぎると気づかれないで終わってしまう。「ほどよい違和感」が大事なのだろう。

アメリカの心理学者レオン・フェイスティンガー氏は、人が「違和感」や「矛盾」に興味や関心を強く持つ性質を「認知的不協和理論」と呼んでいる。

人間は違和感や矛盾を感じると、心が不安になり、その不安を解消するために行動を取るということだ。

この「違和感を解消したい!」「矛盾を解消したい!」と思う気持ちは、まさに、心の底から湧き出てくる興味であり、何かを面白がる「好奇心」だと言える。

理論的にも「好奇心=ほどよい違和感」という公式が成り立つと言えそうだ。

しかし「ほどよい違和感」をつくるのはなかなか高度なことである。

意図して「人を動かす」ことはとても難しい。

だからこそ、今回の件のように「自身が突き動かされた表現や事象」に対して、
「なぜ動かされたのか」を考えることは「相手や世界に対する敬意」を表することに繋がっていくのではないだろうか。

こんなことを考える、小暑の昼下がりであった。


写真・文:tanaka shingo







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